お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

母としては

朝寝坊したものだから朝食を抜いていくという。

ご飯はもうできている。

「朝は食べてからお行き。バテるよ」

「シャワー浴びて時間余ったらっ」

そう言って浴室に飛び込んでいった。

勉強しろとは言わない。どれくらいサボったらどういう結果になるか、体で覚えていけばいい。遅刻すると自分がどう困るのか経験すればいい。

痛い目にあいながら、自分の傾向、特性、得意不得意、その対策など自分なりの自分用のマニュアルが出来上がる。

が、健康に関しては、失敗して覚えるのはさけたい。

この前熱中症のひどいのをやったばかりではないか。

猛暑の朝の台所に、ムンっとする熱気とともに息子が浴室から出てきた。

「間に合わねえ!」

「食べて行きなさい。遅刻して授業の途中から入っていって目立つのと、間に合ったけど授業中に気分悪くなって吐いたり倒れたりして大騒ぎして目立つのとどっちがいいのか、自問しろ」

「………食べてく」

卵2個使ったオムライスにキウイ一個。きっちり食べて出ていった。

あとはもう、母としては遅刻しようがなんだろうが、勝手にやてくれ。

母の仕事、任務完了。一安心。