お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

コロッケ

余った肉じゃがをコロッケにした。

甘辛く味のついたジャガイモに、一つ、新しく蒸したジャガイモを足して潰す。

肉じゃがの肉を包丁で細かく刻み、混ぜ込み丸めて衣をつけた。

暑くなってくると、冷蔵庫の中の常備菜のつもりで作ったものが、かえって自分を追い詰める。

金曜日に作ったから・・・・と指を折り曲げて数える。今日で六日目。

一回、熱を入れ直したから、まだ大丈夫だと思うがなぁ。

匂いを嗅ぐ。

異常なし。・・・だと思う。

張り切ってたっぷり作ったものの、息子の外食と私の体調不良と重なって思っていたより減らなかった。

毎日、朝晩と出し続けるうちに、なんとなく相手が閉口しているのがわかる。

30度を超える台所で揚げ物をするか。

もうしばらく悶々としつつ、気をつけながら冷蔵庫に置いておくか。

もうしばらくで、片付くか。

それまでに、傷んでしまう可能性も、ある。

・・・・・・。

えーい、面倒だ、揚げちまえ!

あいつ(息子)はパン粉さえついていればなんでも食べるんだ。

大きなコロッケが三つできた。

揚げ油の匂いのする台所はそれだけで、平和な気分になる。

あぁ。お母さんやってる、私。

そんな些細なことが自分を勇気づける。

さあどうだ。青年よ、こういうの、好きだろう。

母はちょっと強気に、ちょっと得意げに、皿を並べる。