やれれた話 3
電気屋から戻ると母はカレーを用意していた。
叔母と叔父に「夕飯食べていってよ。美味しくないカレーだけど」と勧める。
叔父はヒューズをアルミホイルから付け替えてくれた。
時刻は7時半。息子が腹を空かせている。
母たちの食事が始まったところで叔父に礼を言い、自宅に戻った。
ここからがもうひと勝負だ。
昼間、早すぎるかと揚げておいたアジフライが私を救う。
それをトースターで温め、作り置きのミートソースをバターライスに乗っけてチーズを散らして、レンジでチン。トマトを切って、作り置きの人参とタラコのシリシリとを息子にまずは出す。
「食べてて」
洗い場にたまっていた調理器具を洗い、自分も食事を盆に載せた。
あまりに疲れ切って、食事が喉を通らない。しかし、私の場合、一食抜くと、即、体調に響くので、噛む、噛む、噛む。味わうというより、栄養を流し込む。
「今日は早く寝てくれ。」
母の疲労を察知した息子が言う。
「ツーカーレーター。ヤーラーレーター」
「やれれてたな」
食後、アイスを二つ食べた。せんべいも食べた。ビスケットも食べたが、今ひとつ頭の芯が緩まない。
飲もう・・。そうだ。飲もう。
冷蔵庫から赤ワインを出し、コップに少し入れ、砂糖をそこに入れる。そこにお湯をそそぎいれ、ティースプーンでくるくるかき混ぜた。
ふわっとブドウと、ワイン独特のあの香りが湯気と一緒に鼻に入る。
椅子に腰掛け、ゆっくりゆっくり飲んだ。
おぉぉぉぉ。
脳みそが解けてゆく。神経も解けてゆく。
それからもう一杯、ホットワインを飲み、全てが気持ちよくどうでも良くなったところで、9時にベッドに潜り込んだ。
長い1日だったなぁ。。。。。
こういう日のために、今後赤ワインは、これからは常備しておこう。。。。