お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

ちゃんと現実に向き合う

歯の詰め物が取れた。

ガムを噛んでいたら、一緒に詰め物をくっつけてしまった。瞬間、落ち込む。

歯は毎日ちゃんと磨いていた。骨も丈夫じゃないと言ってたな、先生。やっぱり。あぁ、こんなところにも弱さはあらわれるのか。もっと気をつけるべきだった。

冷静に考えれば詰めたのは2年前だ。それが取れることくらい、誰にでも起こりえることかもしれない。何でもかんでもすぐ、身体の弱さに結びつける。

歯医者に電話をする。予約の合間に無理やり割り込ませてくれた。今日の夕方4時にいらっしゃいと言われると、ここでも自分が迷惑な患者として扱われ、先生を不機嫌にしただろうと思い込む。

起きた事いちいち一つ一つにマイナス感情を結びつける。関係ない。それはそれ。これはこれ。

詰め物が取れた。それだけ。

歯医者に電話した。運良く今日、直してもらえることになった。それだけ。

 

体調不良と思わしくない検査結果を夫に言わず、送り出した。

寝込むほどでもないし、聞かされたところで夫にどうできるわけでもなく、「やれやれまたか」と重い気持ちにさせてしまうだけだ。遠い土地で一人、頑張っているのに気の毒だと思ったのだ。

自分の体の不具合を聞かせるのは申し訳ないからやめとこうと、勝手に自分で決めた。

聞かされた方は気が重くなるだろうと勝手に想像した。

もし、助けがいるほど具合が悪くなってから「実はね」と聞かされたらどうだとまでは考えていなかった。それこそ迷惑するだろう。

私がそうされたらどうだ。なんでずっと言ってくれなかったんだと、心の溝を感じてがっかりするに決まってる。たとえ自分に何もできないとしても知らせて欲しい。

私だったら教えて欲しいけど、あの人は知らない方がいい。

相手をかばっているようで実は彼のお荷物になることが嫌だという私のエゴだったときづく。これ以上借りを作りたくないのだ。

ここまできてまだ、素直じゃない。委ねていない。

勝手に人がこう思うだろうと気を回して、勝手に妄想して自己完結。

自分の妄想をそうに違いないと思いこむ傲慢さ。

 

おっかなびっくり行った歯医者は、拍子抜けだった。

病院は、規模が大きくなっていて、先生が増えていた。大忙しのなか無理やり予約を入れたのではなく、人員が十分足りていたのだ。

穏やかな太った優しい口調と表情の男の先生が丁寧に診てくれただけだった。

私の想像力なんてこんなもんだ。

妄想の中で生きるのはもうやめよう。

一歩前へ。

夫に話そう。共有してもらおう。そしてごめんねと言おう。助けてくださいと言おう。

 

 

気づきをありがとう。コメントしてくださった皆さん。