ミーハースパイス
映画を観にいこうと思う。これから。
今は12時45分。
先月、シネスイッチ銀座で「あなたの人生綴ります」を観に行った。その時に次回上映予告をしていたのが「ロンドン、人生はじめます」だった。
ダイアン・キートンはその仕草やファッションも、気負っていない風に見える歳の重ね方も好きだ。自然に見えるように目一杯力を入れた化粧をしてるんだよと姉は言うが、なんでもいい。自然体が素敵に見えるから好きだ。
話の筋もイギリスでの実話をもとにした大人のおとぎ話のようなものらしい。
ほっとするものが好きな私向きのような気がして4月21日公開とその場でメモしておいたのだった。
漫画もユーミンも、詩を読んだりドラマを観たりするのも。
ピピッときたものはやってみよう、行ってみよう、楽しんでみよう。
「そんなのが好きなの、私、ダメ」
「あなたは昔っからそういうの好きよね」
母と姉にそう言われるのが恥ずかしくて、自然と自分の「好きの世界」はくだらないものだから知られたくなくて隠してきた。格好つけて背伸びした本を読んだりしたこともある。
でも、私はそういう奴なんだ。それでいいじゃないか。
「こんなことやって役に立つのか、意味があるのか、なにか身に残るのか」
そんなことどうでもいい。
面白そうな気がするから、ちょっと行ってみる、やってみる。
それくらいの気持ちでまずは味見程度でいってみよう。
やってみて行ってみて、それほどでもなかったなぁとなることもあっていいじゃないか。失敗を避けようとするのは無難だけど。
思えばいつも縮こまって、「まあいいか」とはみ出さないようにしてきた。
自分の体調も安定していて、夫が単身赴任、息子が大学、母も健康なのは今だけだ。
ゆくゆくは母との暮らしももうワンステップ変化するときがくるだろう。
もう少し軽く。ミーハーのスパイスを私の暮らしに取り入れよう。
それでどうなるかは期待しないで。求めないで。
ずっこけずっこけ、今頃やり残してきたことをやってみようと思ったらワクワクする。
2時45分上映開始の映画を観に午後から銀座に行くなんて。夕方には家にいるものと決めていた私にとっては冒険だ。
ふふ。
ふふふふふふふ。