雨の日の散歩
散歩コースの桜、咲きました。
通勤していく人を横目に、幹に近づいて写真を撮ろうとする怪しい女。
最近、どんどんこういうことが平気になってきている。
これを中年化というのかしら・・・。
同じ木の中で、真っ先に咲く花と固い蕾のままのもの。
花一つ一つをこの桜、あの桜と見ていたけれど、今年はなぜだろう
幹の中からウオォーって溢れ出してきた春の息吹の雫のように感じる。
セミがずっと土の中で眠っていて、短い期間を力の限り鳴くように。
土の中から吸い上げた地球のエネルギーを時期を見て、「今だ」って決めて意思を持って吹き出す。
今日の雨と気温を感じて、上手に調節しながら満開へともっていくのだろう。
「おいおい、なんだよ昨日より随分寒いじゃないか。バルブ、少し、締めるか」
・・なんのバルブかわからないけど。・・・幹の中にあるエネルギーの出口のバルブ。
こちらは緑道沿いのお庭の枝垂れ桜。ソメイヨシノより一足先に咲いた。
公園の梅も枝垂れ梅の方が先に咲いていた。枝垂れ系は早いのか。
このお家、いつも雨戸がしまっている。もうこの数年、窓も人の気配も見たことがない。
この広いお庭には、木蓮、桜、夏みかん、椿と他にも季節ごとに果実や花をつける木々がたくさんある。
人の手が入っていないからか、鳥もたくさん訪れ、小さい楽園のよう。
独身の家主が海外赴任中なのか。お年寄りの家主が長期入院しているのか。息子夫婦のところに身を寄せているのか。
どこかで「うちの桜も、そろそろかしらねぇ」と思っているのかもしれない。