お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

帰ってくる

明日は夫が午前中に帰ってくる。

なんだろう。なんだかんだ言っても、ホッとする。

素直に言おう。楽しみだ。

今は楽しみなのに、顔を見たとたん、それでよし、となる。

その瞬間から、昨日も一昨日も家にいた、家事など一切しない、自分の話ばかりして、つまらないダジャレを言い、物音がうるさくて、デリカシーもなくグイグイ詮索して、すぐ寝てしまう、鬱陶しく腹立たしいも夫になるのだ。

それでも彼の中で私が一番好きなところは、全身全霊で自分が一番好きな人だというところ。

恐ろしいほどにブレない。

ちょっとやそっとの非難中傷はへでもなく、かすり傷にもならない。

夫が「結構、大変」というのは何度も聞かされたが、「俺、もうダメ」というのは一度も聞いたことがない。

これは私の勝手な妄想だが、小学校5年のとき、ある日突然、両親が離婚し、母親と別れ、それ以降、何度も何度も辛い思いを抱えた日々の中で、ここまで頑丈なメンタルが築き上げられたのだろう。

私と知り合うずっと前に、彼はもしかしたら何度も泣いて、俺ってなんなんだろう、俺ってなんのために生きてるんだろうともがいたのかもしれない。

 

・・・なんて離れているとそんなセンチメンタルに夫を考えてみたりもするが、毎回、奴が戻って来てテーブルにどかっと座り、嬉しそうに笑って「うちはいいよなぁ」と言いながらだらしなく足を投げ出しているのを見ると「ちょっと美化し過ぎたか」と妄想を消す。

明日の午前中、帰ってくる。日曜までしかいない。

優しくしよう。