お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

時が癒す

高知の友達から箱いっぱいのポンカンが届いた。2日の日に往復五時間かけて買いに行ったらしい。箱を開けると、彼女お手製の柚子ポンも入っていた。

素直に嬉しかった。

社交家の彼女のことだからきっと沢山の人に送ってあげたんだろう。

その中に自分も、ついでかもしれないが、私も混ぜてくれている。柚子ポンが入っているということは、同梱し直し、ガムテープで閉じ、宛名を書いて、郵便局まで持って行ってくれたのだ。

その手間を私にしてくれたことも心に響く。

 

あぁ、私、だんだん元に戻ってきている。人から何かをいただいて、喜べるところまで回復している。

一時期、人と関わるのが怖くて、世の中から消えてしまいたくて、負担に思うだけだった。放っておいて欲しい。私にかかわらないで欲しい。

何かをいただけば、お礼の手紙もいる。貰いっ放しにはできない。しかしそれだけのエネルギーがない。あぁ。めんどくさい。もう、放っておいて欲しいのに。

毎日、陽が暮れるまで1日生きることで精一杯だった。

そして不意に入ってくる社交にきちんと対応できないことでますます自分を嫌いになり、人間失格だと落ち込み苛立った。

ポンカンをすぐ、食べた。甘くて果汁が体力の落ちている身体に染み渡って美味しい。「ほらほら。これ食べて元気だしな」豪快な彼女がそう言っているようだった。

すぐにラインでお礼を伝えた。短い会話のやりとり。少しも億劫じゃない。

柚子ポンの柚子はご主人の実家の庭になっているものだと教えてくれた。100パーセント柚子だからね。出来立てで、まだ味見してないから、tonちゃんに毒味させようと思ってさ。うんうん。ちょうど、今夜、牡蠣鍋だから、使うよ。ポンカンはもう食べた。美味しいね。ありがとうね。私も何かお礼を送りたいよ。待っててね。

彼女に何を贈ろう。舟和の芋羊羹がお母さんと二人で好物だって言っていた。農家の仕事に使えるようにタオル屋で名前を入れてもらって、それと一緒におくってもらおうか。目黒の名物の揚げ煎餅もいいなぁ。

喜ばせたくてワクワクする。

やっと言葉と心がくっついてきた。

ありがとう。嬉しい。お礼がしたいよ。待っててね。

人付き合いが煩わしくない。ここまで6年かかった。