お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

お籠りの準備

雨のせいか、なーんにもしたくない。

なーんにもしなかった。チーズの入ったパンを作った。でも、そのパンは、牛乳と卵を混ぜてこねて焼くだけの、そういう粉が売っていた、それ。

寝室のベッドの向きを変えて、机を一階に下ろした。寒いと何もできなくなる。

ぬくぬくあったかい場所を求めて、家具の配置を変える。それは毎年の、冬ごもりのための準備なのだ。今年は、いつもよりそれが早かった。

夏は、寝ながら見る窓からの月がお気に入りだったが、とてもじゃないが、そんな呑気なことは言ってられないほど冷える。冬の定位置はぐっと壁によせ、窓からうんと離す。今年は、そこにIKEAの椅子がある。二階の寝室の、日中、陽だまりのできる場所にそれを置いた。ここでこの冬はぬくぬくしよう。

納戸の衣装ケースを開けて、フリースとショールと毛布を出した。衣替えをしていない。いつもこうやって、小出し小出しにズルズルと冬の服を引っ張り出す。

ある程度の冬ごもりの準備ができて、少し気持ちが明るくなった。散歩に出てみようか。

ところが、歩き始めて5分もしないうちに、やっぱり今日は帰ろうと思う。いつもは無理してでも、運動しないと落ち着かないのに、こりゃ、よっぽどなんだねと、自分を甘やかすことにした。

スーパーに寄って、鶏肉とレバニラ炒めの惣菜を買う。レバニラを食べれば、ぐんぐん元気になるのだと、信じている。このところ、魚とおかゆ蒸し鶏の元気のない食事が続いていた。スタミナには、やっぱり肉だ。テカテカ光ったレバーに助けを求める気分でカゴに入れた。

昨日買ってきた本を家で読もう。

冷蔵庫に眠っていた、レトルトのおでんに冷凍のロールキャベツ、ウィンナー、がんもどきを足して、温める。牛挽肉があったので、それに塩胡椒、フライドオニオンを混ぜて俵にし、ケチャップとソース、チーズをのせて、手抜きのハンバーグを息子用にセットする。これを後でレンジで7分、ヤミーさんのレシピ本のものだ。これは、あんまりじゃないのというくらい簡単なのに、息子は喜ぶ。肉々しいのがいいのだそうだ。みっちり、お肉の塊だから。

片やロールキャベツにゆで卵にレバニラ炒めに蒸し鶏とトマト。

片や、おでんにハンバーグにトマト。

わけのわからない今夜の食卓。

季節が変わって行く時、私はいつも、うまくその波に乗れない。

しばらくは、転ばないように、ペースを落として行こう。

時間がゆっくり私のそばにいる。

冬ってこんな感じだったっけ。これも悪くないなぁ。