お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

ラジオショッピング

朝、四時半になるとアラームがわりにラジオがつく。

ニッポン放送の「あさぼらけ」。この人の声と人柄が好きで、一日の始まりには何があっても聴けるようセットしてあるのだ。

うとうとしつつ夢心地で聞いていたらしいのだが、本人は起きている気でいる。現実と夢が同時に脳みその中でドラマを組み立てているとは気づかずに、私は本気でマットレスを買おうとしていた。

ラジオ番組の間に毎日あるコーナーでニッポン放送ラジオショッピングと言うものがある。今日はなんだったんだろう。寝ぼけていたので覚えていない。ただ、覚えているのは

「ちょっと背を伸ばしてみてもらうとわかるんですが・・」

「ねぇ?違うでしょう?わかりますか?これ、点で支えているから、体重を分散させてくれるんですよ」

「寝返りもしやすいんですよ。人は寝ている間に何十回もの寝返りを打つって言われているんですけど、この高反発マットは、寝返りも楽なんですよ」

その度に私は背中を伸ばし、「ほんとだぁよく伸びて気持ちいい〜」「背中が沈まないわぁ」「あぁほんとだ、気持ちいい〜。これ買おう。これ、いいわぁ」と納得していた。

遠くで息子の目覚ましがなっている。二つの世界のうちの一つがゆっくりゆっくり消えていった。

目を覚ますと、自分がさっきまでうっとりとしていたのは、毎晩使っている馴染みのマットレスだった。