お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

薄情な私を許してほしい

息子の愚痴を聞いて、食欲がない、食欲がないと言われているうちに自分まで気持ち悪くなってきてしまった。強がってみたところで、引っ張られている。

もう、どうでもいいから陽気でいてほしいが、それも私の勝手な言い分だよなぁ。

いつもご機嫌というのは、簡単なようで、究極の技なのではないかと思う。

そうなんだ。

結局、不動のご機嫌を保っていられれば、怖いものはないのだ。

多分、息子の不安に引っ張られているのは、私自身が、まだ自分に言い聞かせているように、でんと肝が座っていないから。

何が怖い?私は何を恐れている?

鬱陶しいと言って、息子に冷たい母親だと思われることだろうか。

うっすらと気が付いていたが私は、失望されることを恐れる。

がっかりさせて、自分が原因で人の気分を害して、思いやりに欠けた人間と思われることを恐れているのだ。

だからとても注意して、家族といえど、相手のこころの機微を伺う。

私に優しさを求めないでほしい。

期待しないでほしい。

いい人なんかじゃない。

気が向いたときは優しくするが、心に余裕のないとき、自分のことしか考えていないちっこいちっこい人間なんだ。

息子が、また部屋に来た。相当、まいっているようだ。気の毒だが、もう、うんざりしているのが本音の薄情な私。

「なに?」

「・・・気持ち悪い」

「もう、私の口からは、なんとも出てこないよ」

あとは自分で処理してください。

きゅっと強張った顔をして、部屋を出て言った。

傷つけたか。私の心がきゅっとする。

18歳。

今夜はトマトのスパゲッティにしよう。愛情はあるんだ、応援してるんだと伝わってほしい。