お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

お向かいの目

お辛いでしょう。あとちょっとですよ。

誰かの頑張りの裏には必ず、誰か影で我慢している人がいるものです。よくなさってますね。あなたも。朝早くから。よくなさっていますよ。

 

朝、家の前を掃いていたらお向かいのおば様にそう言われた。

おはようございますの、挨拶からの流れの世間話なのだが、相槌を打ちながらびっくりしていた。

私は、辛そうに見えているのか。我慢している人に見えているのか。

え〜っ!!

「でも息子さんが立派になられて、ご安心ですよ、もうちょっとの辛抱ですよ」

そう言われて、私も「ありがとうございます。お気にかけていただいて」と答えた。

深く話したこともない、いつも挨拶程度のご近所だが、彼女の中では私はすっかり健気な奥さんになっていることに驚いた。

 

嬉しかった。

そうたいして我慢してないのに。理不尽に怒られたりすると、しつこくこだわって、いじけるのに、こういうのは「ま、いっか」と真実とのズレの違和感はどうでもいいやと受け入れる。

 

理不尽な誤解も、「あぁ。違うんだけどなぁ。ま、いっか」とさらっと流せばいい。

どっちでもいいや、そんなこと。

 

私は同情されているのか、褒められたのか、励まされたのか。

よくわかんないけど。

私もわからない。

同情されることに思い当たるのか、励ましてほしいのか。

でも、「よくなさってますね」は欲しかったのかもしれない。