お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

あっちの方が大人

息子に怒られた。

「何、プリプリしてんの、おかしいだろ」

「だってしつこいんだもん」

課題を提出したものの、メールで提出したので、果たして本当に受理されたかどうか不安で仕方のない息子が何度も何度も「大丈夫だよね」「大丈夫だよね」という。初めは「大丈夫だよ」「ちゃんと届いているよ」と言っていたけれど次第にうっとうしくなり、「もう。じゃァ心配してればいいじゃん、好きなだけ」と言った。

「怒るなよ」

「怒ってないよ、めんどくさいだけ」

と言ったら、「何プリプリしてんの、おかしいだろ、最近、変だよ、すぐ怒る」

芝刈りなんてするからだ、疲れてるから怒りっぽいんだ、だから、言ったろ、大丈夫なのかって。芝刈りなんて、やらなくてもうちの庭なんだから誰も困らない。

ガーっと怒鳴らないで。それが嫌だから頼む気にならない。

私にも言い分はたくさんある。

頼んだって嫌な顔したじゃないか。そこまで言うならもう少し、お風呂の掃除でもなんでもやってくれたっていいじゃないか、課題があるからっていうから遠慮してるけど、ゲームをしている時間もたくさんあるじゃないか。芝生だって、一日中、家で過ごす私は庭が鬱蒼としてると気分も萎えるの。

「じゃ、何、俺に課題をやらないでずっと家事を手伝えっていうの、何で俺が悪者になるの」

「もう、いいよ。早く出かけてよ。さっさと出かければいいでしょ」

いつも我慢して、言わない言葉を遠慮せず、喧嘩してみた。

嫌なものは嫌だと思っている。うまく言えなくても、とにかく反論があれば言うんだ。

出かける間際、息子が

「ごめん。言いすぎた。悲しむな」

負けた。

負けた証に私が返した言葉は

「もう、いいよ」

負けた。

今日は家でおとなしく読書にしよう。夜までににっこり笑えるようにしとこう。