お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

日曜の朝

日曜の朝、7時半、家族がまだ寝ているので散歩に出ました。

近所の大学がセンター試験の会場になっているようです。

警備員が駅から大学への道のそこかしこに立ち、受験生が背中にリュック、手にはお弁当と水筒が入った手提げを下げ、キュッと唇を噛み締めて早歩きで通り過ぎて行きます。

その笑顔のない、張り詰めた表情を見ると彼らの緊張が伝わってきて、意味もなく私まで切なくなりました。

どうか、みんな、自分の力を精一杯出せますように。

そして、結構な年齢の警備のおじいさんたちが、この大寒波の朝、身体を壊しませんように。みんな、今晩は、それぞれホッとした気分の夜を迎えていますように。

 

家に戻ると、夫も息子も起きて、リビングで私の帰りを待っていました。

「母さん、帰ってきた。帰ってきた」

「おかえり、おはよう」

この小さな家庭が私を迎え入れて必要としていてくれる私の居場所。

居場所があるということは奇跡的なことだなぁ。

昨夜のポトフの残りを温めて、ウィンナーを焼いてパンを出す。

平和な朝。

小さな小さな世界が私を大きく支えてくれる。

この世界にいてよし。と言ってくれている気がするのです。