お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

欽ちゃんに学ぶ

今日は緊張の朝、冒険の朝だった。

朝一番の映画を観に渋谷まで行く。なんと歩いて。私の住んでいる町から渋谷までは3駅ある。最初は少し運動もかねて一駅だけ歩いて電車かバスに乗るつもりだったのだが、道ゆく人たちが恐ろしいほど早足で怖い顔して地下鉄に潜って行くのを見て、電車に乗るのが嫌になってしまった。道を走って行くバスもぎゅうぎゅう詰めだ。学生さんや出勤する人たちで混み合っている。

いいや、のんびり歩けるとこまで歩こう。

とテクテク歩いているうちに、渋谷近くまで来てしまった。ここから今更電車もバスも中途半端だなぁ。というわけで、あともうちょっとで限界というところで映画館にたどり着いた。9800歩。

 

そんなにしてまで何を観たかったのかというと萩本欽一さんのドキュメンタリーの「We Love Television?」。小学生の頃、欽ちゃん全盛期で育った私はどうしても観たかった。最近、テレビ番組ではあまり観ないけれど、私のあの頃、お父さん、お母さん、お姉さんと暮らしていたあの頃、欠かすことのできない人、番組。

 

感想は。人生を学んだ。というのがまず観終わった時に浮かんだ言葉。次に切ない。

とことんお笑いを諦めない。自分を諦めない。自分のスタイルを疑わない。あれだけ自意識も強くて恥ずかしがり屋の人が、今の時代に自分が必要とされなくなっているとうっすらか、しっかりか、とにかく感じているのが伝わった。それでも欽ちゃんは自分の笑いを伝えたい。残したい。もう一回、坂上さんと組んだ時のような笑いでお茶の間を笑わせたい。その一途さと純粋さと、不器用さ。諦めの悪さ。

不器用だけれど、健気に拗ねずに一生懸命生きている欽ちゃんをどうにかして、嬉しそうにさせてやりたい。途中からそんな想いで観た。

帰り道、スーパーの袋をぶら下げなから考える。

神様も、空から見てて、不器用だけど健気に頑張る人間を見つけて、どうにかしてやりたいと思うはず。そういう子ほど、愛おしく思うのではないかしら。

 

私、バカだけど、投げ出さないで、よかったなぁ。不器用さは一つの時代を築いた欽ちゃんどころじゃない。きっと誰よりも神様の目に止まりやすいはずだ。

いつ見られてもいいように、これからも拗ねずに投げずに、一生懸命真面目に生きよう。

欽ちゃんありがとう。