宅配便
夫のもとに宅急便を送った。お米5キロが入っているので相当重い。自転車に乗ることができないので、近所のコンビニまで持参するのは到底無理だ。パソコンで集配を依頼した。
宅配業者にメンバー登録をし、こちらの住所、あちらの住所、品物、宅配の種類、集荷希望日時、配達希望日を順番に入力して、完了と押すと同時に「承りました」とメールが届く。段ボールには宛先もなにも書かずにガムテープで蓋を閉じておけば、さっき記入した住所を印刷したシールをペタッと貼ってくれる。
3時に依頼して、5時に取りに来てくれ、明日の午前中には兵庫に届けてくれるのだから、スンバラシイ。
「お米が入っているので・・・重くてすみません」
そのほかにも、缶詰も野菜ジュースも無添加のレトルト、セーター、例のネルシャツのプレゼントとぎっしり詰めたので相当重い。申し訳ないなぁと思ったのだ。
「あ、はい」
サイズをささっとメジャーではかり、重さを確認するのか、ヒョイっと持ち上げる。
「へなちょこは私だけですね。プロには屁でもないようでした」
「屁でもない・・・」笑っていた。
せっかくなので家でフリージングしたものをクール便で送りたいとき、どうすればいいのかを尋ねる。
これはかねてより、どうするんだろうと思っていたのだ。
箱に詰めた状態で待っていれば溶けちゃうし。生協の冷凍食品のが留守のように、発泡スチロールにドライアイスを入れて梱包するのだろうか。だとしても、集荷まで冷凍をキープできるだろうか。ギリギリまで冷凍庫に入れておいて、集荷依頼時刻寸前にわーっと一気に詰めるのが一番望ましいが、作業の遅い私にそんな早業できるか自信がない。間に合わなくて、取りに来たお兄さんをイラつかせるかもしれない。あちらだって時間との勝負で働いているんだから。
「普通の段ボールでいいんですよ。発泡スチロールは、車の中がマイナス18度なんですけど、断熱材だから冷気が伝わらないので。段ボールの方がむしろ、いいです」
受け取ったらすぐに冷凍車に入れるからそれでいいらしい。
「それじゃ、段ボールごと冷凍庫に入れて待ってるんですか?」
内心、それは無理だと思いながら聞く。
「来てから、その場で詰めてもいいですし。」
「待っててくれるんですか?」
「はい」
問題、一気に解決。
なんとご親切な。取りに来てくれる上に、モタモタ詰め込むのを待っててくださるなんて。
これまでここがよくわからないので、送りたいけどなぁ・・・とやらずにいた。俄然、やる気が湧いてきた。
ハンバーグも煮魚もきんぴらもかぼちゃの煮付けもおひたしも。面白そう。びっくりさせてやろう。
すんごい時代だなぁ。日本ってすごいなぁ。
「じゃ、お預かりします」
軽々とお米の入った箱を肩まで持ち上げて出て行くお兄さんを神様のように崇めながらなんどもお辞儀をして見送った。