お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

ミラクル

ブックオフでイソイソ買ってきた本を家で読んでいるうちに、妙な気がしてきた。この本・・・読んだぞ。立ち読みしてから選んだのに、どうしてこういうことをやらかすのだろう。私の脳味噌は毎日を楽しくしてくれる。

読んで、手放した本だ。ブックオフに。これは、私が売った本、そのものかどうかはわからないが、自分で売った本を同じ店でまた買ったということに違いはない。

懲りずに、もう一度、売るとしよう。

 

昨夜、息子が夫と夜遅くまで、電話で話をしていた。進路のことで相談にのってくれる大人を探していた息子、先日、夫との電話の途中で何があったか知らないが、自分の方から電話を切った。翌朝、夫がもう一度電話をしてきていた。

「信頼できる大人の意見を聞きたいんだ。誰に聞けばいいんだろう」

年収、いくらあれば暮らしていけるのか、保険のこと、社会のこと、知りたいことの情報を得て、自分の進路を考えたい。高校時代の先生は?〇〇君のお父さんは?先輩は?

誰もピンとくる人がいない。目の前にいるこの私に尋ねようとはしないあたりは賢い。

「やっぱ、父さんに電話してくる。あいつ、保守的でうるさいけど、知識だけはあるからな」

という流れでの、長電話なのであった。

私は寝室で彼らの会話の様子を聞きながら、テレビを観る。

単身赴任中の父息子の絆を深めるために起きたアクシデントだったのか。そういうことかもしれないなあ。

テレビを見ているつもりが寝ていたようだ。

「決まったよ」

息子の声で目が覚めた。

「決めた。俺、学科変更、しない。まさかの結論、今のところでやるわ」

死にたいほど嫌だったのではないのか。

夫は何を話したのか。

寝ている間に何が起きたのか。さっぱりわからない。

あの涙はなんだったんだ。

「俺、文章書くのはよく褒められるから、それを磨くためだけでも今のところにいる価値はあると思う。嫌なのは変わらないけど、吸収したいことだけ割り切って吸収するわ。大学やめてバイトの年収じゃ食ってけないし、とりあえず、今のところでスキルアップする」

何がどうなって、どう、そこまでの結論に達したのだ。この数ヶ月、聞いたことのない晴れやかな声をしていた。

わからない。父と息子の会話。夫の魔法。