お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

19歳

今日で息子は19歳になる。

人生で自分が人の親になれたこと子育てを経験できていること。その息子がどうにか大学まで入り、極普通の青年になってくれたこと。奇跡だと思う。

昨夜、いつもの帰宅時間を一時間以上過ぎても、帰ってこなかった。普段は「どうせどこかに寄り道でもしてるんでしょう」と気にせず先にさっさと食べるのだが、このところの落ち込みようの最中なので、この程度のことでも気になって仕方がない。

「さっくりでいいから、帰宅時刻連絡して」とラインを送っても、既読の印もつかない。電話も出ない。どうしたどうした、どうしたっていうんだ。まさか、ふらぁっと海かなんか見に行っちゃったりしてるんじゃないだろうね。以外とロマンチストだから、しんみり浸ってるんじゃないだろうね。

もう一度「おーい」と送った。今度はすぐ私の携帯が鳴った。よかった!

「もしもし」

「あ、もしもし?僕だけど、なんか、今、連絡もらった?」

元気な声を聞かせてくれたのは夫だった。夫に送ってしまったらしい。

「あら、すみません。息子に送ったつもりだったの。遅いから。ごめんなさい」

「なんかあったの」

「いや別に」

普段、遅いくらいでラインなんか打たない私なので、夫はすぐ聞いた。仕事中の夫にこの最近のことを話しても長くなるだけなので、曖昧に返事をした。

結局息子は8時近くになって電話をしてきた。学校の授業が長引き、課題を仕上げていたら遅くなったらしい。なんでもいい、帰ってくるなら。

 

今晩の誕生日の夕食は好きなものを作ろうと、好物の煮込みハンバーグを朝から仕込む。小さいケーキも買った。

今、息子はベッドで眠って起きない。何度か声をかけ、「ケーキあるよ」と言ってみたが睡魔には勝てなかった。

19年前のまさに今頃、私は出産を終え、息子が無事であったことに安堵してぐっすり眠っていた。あぁ。終わったんだ。産んだんだ。安心して深い眠りに潜っていた。

テレビを消して静かに一人で食べる息子の誕生日の夜の晩ご飯。息子を産んで初めてだ。こんな静かな彼の誕生日。

平和だ。何にも足りないものはない。

感謝だ。

熟睡できている息子にホッとする夜。

ありがとうございます。すべてに感謝します。