お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

あったぁ・・・。

微熱、下がらず。もはや、頭のぼんやりも初期設定となった。動作も反応も遅いが、誰一人、それを訝叱らず、自然に受け止めている。普段からぼんやりしている証拠である。

スーパーに買い物に行こうとしたら、鍵がない。どこにもない。いつも、かけておくと決めてあるフックにも、時々、それがめんどくさい時に引っ掛ける、玄関脇のフックにもない。あそこの二つ以外は、ありえないはずなのに、ない。

買い物袋を見る、ない。昨日着てた服のポケットに入れたまま洗ったかもしれない。洗濯機を見るが、ない。乾燥機も、ない。冷蔵庫、トイレ、階段の手すり、床下収納、下駄箱、ない。

息子に火曜日、鍵を預けた。彼がそれを使って入ったから、火曜まではあったのだ。

そのとき、私は玄関まで出迎えた。そこで、どうしたっけ。確か、無くさないようにと下駄箱の上に置いてあったのをしまったはずだが。

玄関に置いたまんまにして、気づかないうちに誰かに持っていかれたとも考えられる。

もう、熱のある頭で考えるから、思考がまとまらない。

パソコンを立ち上げて鍵の取り替えはいくらくらいするのか調べた。防犯対策のしっかりしたものだと一個13000円。たぶん、うちのはこれ。上下二個だから、2万6千円。出張費とかなんたらで、うう、3万はいくなぁ。

とにかく今は、買い物に行きたい。鍵がないというのに、なんとか出かけようとするのが私の呑気なところだ。

息子は出かけている。・・・あまり使いたくない手段だが、やむを得ん。

「お母さん、今日、ずっといる?」

「いるわよ、何?」

「ちょっとスーパー行ってくるけど、すぐだから、鍵、開けてく。息子がすぐ帰ってくるから、いてくれると助かるんだけど」

「はい、わかりました」

使えるものはなんでも使おう。とにかく行ってこよう。

歩きながら、昨日、一昨日の自分の行動をもう一度おさらいする。私の行動範囲って言ったら・・・。ここんとこ、しんどいからドトールも図書館もコンビニも行ってない。こういうとき、極狭く限られた範囲でしか行動しない私の地味な生活は便利だ。

この数日はあのスーパーしか行ってないしなぁ。。

・・・。・・・・・・。・・・・!

昨日、夕方、息子と母が外食だった。自分の夕飯を作るのがめんどくさくて、刺身と惣菜を買いに行ったんだった。来たついでにヨーグルトや梨も買って、レジが済み、袋つめをするときに、持っいったエコバックに放り込んであった鍵を一旦、台の上に置いた気がする。ぼうっとして、そのまま帰って来ちゃったのかもしれない。

急に足取りが早くなる。気が急く。まさに今、行こうとしているあそこにあるかもしれない

店内に入って、すぐサービスカウンターに行き事情を言って、届いているか、尋ねた。あった。

よ、よ、よ、よかったぁぁぁぁぁ。

誰にも知られずに見つかって本当に、よかった。

3万、浮いたな。

不謹慎にも、得した気分になっている。