お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

ダメな時

もう本当にダメになった時、何に救われますか?

と言う質問にオードリーの若林さんがテレビと答えていた。作家の角田光代さんが今は猫で、猫を買う前は音楽だったという答えに対して、「小説じゃないんですね」と言った後でそう言った。どん底まできたときは、本を読む力もない。音楽を借りてくるにしても映画を見るにしても出かけていかなくちゃならないが、その力もない。

すると角田さんも一緒にいた作家の西加奈子さんも、そうそう。と同意した。

あぁ。あれだけエネルギッシュに作品を書いたり、お笑いを作り上げてテレビで活躍している人達でも、そうなのか。

かなりホッとした。

あんなトップの人がそうなのだから私ごときが毎日パワフルにいられなくて当たり前なんだ。私は本すら読めなくなっているときの自分が、もう最終段階まできてしまっていると、大げさに捉えてさらに自分をダメ人間だと追い込んでいた。

辛いのに頑張ってみたり、なんとかエンジンがかからないかと、あれこれ元気の出そうなものを食べてみたり、とりあえず、歩きに出てみては状況を悪くして自滅した。

そうか。みんな、こういう時があるんだ。本を開く力のないとき。外に出られない時。

そこで素直にダメダァってやる人が、大きな仕事を残しているのかもしれないなぁ。

なんてことを思いながら、本を閉じて目を瞑る。

今朝、起きたら突然やってきた起き上がれない不調。だるいなぁ、起きたくないなぁ。食べたくないなぁ。水だけ飲んだらまた寝るか。

そういう日に限って息子は早起き。つい流れで味噌汁と野菜炒めと卵とトマトをお盆に乗せて用意する。用意しながら、子供の存在が与えるパワーってすごいなぁと思う。

子供がいると、頑張ろうとか思う前に体が動く。

そしてまた二階に上がってゴロンとした。ゴロンとしながら、このままダメな一日になってしまうのが怖くて、とりあえず、本を広げた。寝っ転がって本を読んでるだけということになる。

そこで若林さんたちが言っていた。

ダメな時はテレビが一番復活できる。心が折れてる時も。馬鹿らしいお笑いを見ていると「俺、まだやれる」と思えてくる。

そうかあ。私は今ダメな時なんだ。ごまかしちゃダメだな。ダメはダメらしくしよう。

夕方、雨が止んだ。

外に行きたくなった。

いつもの夕焼け通りの遠くの空が明るくなってた。

今夜は残り物のカレーと買ってきた唐揚げ。と。トマト。