お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

江戸っ子だぜ

古本屋さんの集配が今日の夕方、くる。それまでに段ボールに手放す本を詰めておくことになっている。納戸の小さな本棚は、もともと選りすぐったものたちで、そんなにない。

手放したくなったのは、モヤモヤ苦しかった時にすがった本たち。

生き方本や、心理学、哲学、エッセイ。精神科の先生の書いた心の本。

背表紙を見せられなくて、ブックカバーをつけたままのものもある。

ずっと手放せなかった。もう、大丈夫かなと思えたときも、次のまさかの時のためにとお守りがわりに持っていた。

もう、やーめた。

必要になったらまた探し求めればいい。

また暗闇に落ち込んだらその時のこと。今から、そんな日々かくるのを予期して備えるのはやめた。

綱渡りの下のネットを外した気分。

サザエさんも手放そう。迷って迷って決めた。全巻45巻揃って持っていたのは、子供の時のあの、安心し切っていた日々に繋がるから。子供の時、床にぺたんと座って、何冊も何冊もよく読んだ。同じ漫画を読むとそこにヒョイっといける。それも私の逃げ場だった。

手放す前にもう一度、開く。やっぱり子供に戻っていく。あぁどうしよう。

大丈夫。サザエさんは消えない。どうしてもダメになったらまた、会いに行けばいい。サザエさんに。どうしても欲しくなったらまた買えばいい。

箱に全部詰めてガムテープでぴっちり蓋をすると、なにやら、ついにやったぜという爽快感。あれほど大事と思っていたものを手放す。

くるならこい。

向かい風でも、痛みでも。もう、たいていのことは味わった。くるならこい。

丸腰で生きてやる。