お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

変わる

今日は父の命日だ。

息子が三歳になる二ヶ月まえだった。63歳だった。自分が48になってみて、いかに短く駆け抜けて行った人生だったかと思う。

亡くなる数ヶ月前、父は庭で私にこういった。

「あっという間だよ。本当にあっという間」

そのとき、これは私に伝えようとしている、と感じたけれど、その言葉の本当の意味は、想像するだけだ。父とは確信に触れた深い話も、相談も、いつも信号やサインのやりとりのようだった。言葉で語り明かすことはなく、洒落や冗談に交えて伝え、伝えられた。

「修行僧のようになるなよ」

そう言って向こうに渡ってしまった父こそ、修行僧のような人だった。ファザコン娘の私はそれを良しとし、目指し生きてきた。

でも。

この頃、なんだかそれも疲れた。

お父さん。

私はあなたみたいに自分を律して生きていくのがしんどくなってきたよ。自分への期待値をもっともっと下げたいと思います。

綺麗に美しく生きるのではなく、たっぷり愉快に呑気に生きていきたい。

今晩、みんなで一緒にご飯を食べてあなたを偲びます。

呑気に笑って過ごします。

そろそろ意地を張って頑張ってきた末娘も、バカな奴に戻ってもいいかなと思い始めています。

夜七時、いつものテーブルに集合です。居てくださいね。