お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

そのまんまが愛おしい

バカなのですと、言い切ったらとても気が楽になった。

そうだそうだ。バカで何が悪い、それが私だ。私はそんな私が大好きだ。

と、ここで書いたら強く、自分自身に伝わったような気がする。

こんな全く独りよがりのことにお付き合いいただいた皆様、申し訳ありませんでした。そして、ありがとうございます。

地球の日本のどこかに、私のこのくだらないつぶやきを読んでくださる誰かがいるんだというだけで、不思議な力になります。ただ、読んでくださるだけでいいのです。

本当に、ありがとうございます。

 

夫が私が熱があると言ったら「ふぇーん」と子供が困ったときのような声をだして、そして流した。これは、いつものこと。そして私はこういった小さなささくれに、いちいち傷ついた。

この人は、私が倒れて救急救命室に運ばれた数日前に、台湾旅行に行こうと言い、私が体調がよくないから行きたくないと言うと、「飛行機のマイルが無効になっちゃうから、繋ぐだけのために空港で折り返してくるだけでもいいから」と粘った男。

当時の私は、この言葉に一人隠れて泣いた。優しくされたい。大丈夫かと労ってほしい。拠り所を求めていたのかもしれない。まさしく死にそうなほどの絶不調を察して欲しかった。めんどくさいやつだった。

今の私の拠り所は、自分。だから、拠り所を人に求める必要がなくなった。

すると人に求めるものが減った。

バカ丸出しの自分が急にとても愛おしくなってきたとたん、夫のこともわけわからん変な相棒だと愛おしくなる。不満は不満であるけれど、存在自体は愛おしい。まるで息子に対する感情のようになってきたのが自分でも驚く。

「ふえーんってそれだけかいっ」

夫にツッコミを入れながら、カレーを作っていると、「おおっ。トンさーん、見てこれ」とガス台にやってきた。

「ほら、これ、初めて600点越えした」

嬉しそうに英語の単語のスコアを見せる。

「よかったねぇ、カミさんの病より、スコアか、君は」

「あ、ごめーん。でもさ、初めてなんだもん、ごめーん」

「うるさいっつ、もう、あっちいけっ」

愛すべき相棒にもハナマル。

私たちはメンタル的にも生活力においても凸凹コンビ。私の変人具合を夫は面白がり、私は夫のこのマイペースに助けられてきた。私が鬱で悶々としているとき、彼のこの我関せずはどんなに私を救ったことだろう。

なんにも見えてなかった。わかってなかった。

みんなそのままが一番いい。