生きてるっていうこと
今日はどうも体がしんどいから、早めに家事を片付けて昼寝しよう。
朝の散歩の時にそう思った。毎日歩いていると、不調な日がすぐわかる。
同じ距離なのに辛い。途中でしゃがみ込みたくなる。それは自分では気がついていなくても、どこか不具合が起きている証拠。
早めに切り上げて家に帰った。息子はどうせいつも朝寝坊だから、朝ごはん食べたらゴロゴロしよう。
ところがそういう日に限って、誇らしげに早起きをしてくる。
食欲旺盛な青年の朝ごはんを作らねば。
洗濯物を干し終わって、ちょっと甘いものでも食べて一休みしようと思ったら、今度は母が入ってきた。
グワーッと要件を言い、自分がボケてきたかもしれないという失敗談を話す。
「そんなこと、誰でもあるから大丈夫だよ」
「あなたも同じようなもんでしょ。どうせ。あなたは当てにならないから、孫にしっかりしてもらわないと」
それだけ言えればまだまだ大丈夫。
やれやれ。さ。お茶。
と思ってるところに生協が届く。豚肉を使い切る前にまた届いてしまった。冷蔵庫にある方の豚肉を調理してしまわないと傷んでしまう。
うう。と思いつつ、気になってくつろげないので、やる。
ナスと豚肉の甘味噌炒め。
鍋を洗って、タッパーに詰めて、さ、お茶を・・・。
ドドドド。息子がすごい勢いで駆け下りてきて
「なんか、ドカンと腹にたまるもの、ない?」
今作った味噌炒めとスパゲッティと生協から届いたヨーグルトを出す。
うまいうまい。それは良かった。かあさんはこれからお茶飲んで、少し寝るね。
「ゆっくり休め」
そこにピンポーン。
近所の知人がインターホンに映っている。あぁ。この人は話しが長いのだぁ。居留守はできない。
「いい?すぐ帰るから」
「うん。」
ご主人が家にいて二人っきりなのが嫌だと言う。あぁ、そういう時もあるよね。
二人でお茶を飲み、話す。
「長居してごめん。帰るわ」
気がついたら夕方だった。
夏休み。これが夏休みなのだ。
昨日、祖母が言っていた。
「それが、生きるってことよ」
ちゃんと生きられているってことだ。
死にそうだった頃の私に比べれば、立派なものだ。
ちょっと誇らしい。