とっかかるまで
塗り絵もそう。始めるまでは、結構億劫。
めんどくさいなぁ。本当に趣味かなぁ。これ。
とりあえず、1ページだけ、やろう。いや、ページの中のどれか一つの部分だけ、やろう。
上手にやらなくていいんだから。気分がのらなかったらすぐやめればいいんだから。
自分に呪文をかけて、開く。
塗り絵の本を開くと、そこはメルヘン。
パラパラめくって、その時の気分でどこかを選び、とにかく、塗る。
ゆっくり、塗る。完成が目的じゃない。目的はない。誰にも見せない。急いでない。
義務じゃ、ない。
色が入ると、そのメルヘンチックな暖炉のある夢ような世界が少しづつ私のものになる。私だけの世界が出来てくる。
はぁ。今日はここまで。もうちょっとやりたいところで、やめよう。
気がつくと、一時間。
大したことじゃないのに、どうしていっつも、取っ掛かるのに時間がかかるんだろう。
でも、やりたくって仕方がないって、いうのじゃないくらいが、ちょうどいい。
私の場合。夢中になるのは危ないかもしれない。