ごめんなさいと言えなくて
「おはようございます。今日からまた始まりましたね。みなさん、マイペースで頑張りましょう」
ファミリーラインを送った。
息子はあれから、深夜12時過ぎに帰宅した。一応、出かける前に、表面上の和解はしたけれど、仲直りまでは至っていない。お互い、表情が硬い。
無口のままのぎこちない短い時間を過ごして、息子は登校。
一応、ハグをして、自分たちが和解はしているんだと確認するも、笑顔にならない二人。
「今日も帰り、遅いから」
「ん。何時だっけ。部活だよね」
「10時くらいかな」
ダメだ。笑顔が。でない。
窓から手を振るのはいつものお決まりなので、振る。私はもう怒ってないよということの意思表示。奴も少し、解けた顔で振り返して出て行った。
う〜ん。気持ち悪い。この状態。
表を掃いて、洗濯物を干して、トイレを掃除して、食器を洗って・・・と、その途中、泡の付いた皿を流しに置いて、手を拭いた。
「おはようございます。今日からまた始まりましたね。みなさん、マイペースで頑張りましょう」
ピロロロロン♪ すぐ既読1となって、着信を知らせる音が鳴った。
「イェーイ!」
息子だ。
「課題、届いてますから」
「当たり前だ!」
クマが手を振って「では」と言っているスタンプを押す。
「じゃ」というスタンプが戻ってきた。
これにて終了。仲直り。
ごめんなさい。確かに私が疲れてプリプリしてました。
と、言わないで、ごめんなさい。
10分遅れて、夫から「頑張るで」と、きた。