お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

やらかす

事件はそのあと、おきました。

さぁ今度は自分の庭。芝刈り機を担いて、移動。コンセントを差して、カリカリカリ。

菊科の白い花、名前は知らない。友人が、誕生日にくれた鉢植えを地面に下ろしたものが、わっさわっさと広がっている。この前の雨で、量と丈のある茎が倒れてしまった。花も終わりに近づいて、茶色い枯れたものがたくさんそのままになっていて、みすぼらしい。

この花が綺麗でないと、彼女の健康に何かあるような気分になるので、気になっていた。まずはここから。しゃがんで花を摘む。枝のように伸びた茎もだいぶ、切った。

花は植えた当初の可憐な姿に戻った。

それでは。いよいよ。

芝刈り機のスイッチを入れて、再開。

カリカカリカリカリ。コードが長いから、気をつけないと。

と、思ったその矢先。カリカリカリブチッ!・・・やってしまった。電気のコードを巻き込んで、刃で切ってしまったのだ。ブチッと切れたオレンジのコードがビニールの芝が入ってくる袋の中に10センチ、ある。

・・・・。そうだ!部屋に戻り、延長コードを持ってくる。太い、頑丈なビニールに包まれたコードに細いコードを繋いで使っていた。切れたのは、細い方。この延長コードで繋げば大丈夫。大丈夫大丈夫・・・だよね。

けれど、ダメ。理屈では電気が通ってるはずなのに、機械はウンともスントも言わない。ひっくり返してもダメ。コードを抜いて、もう一度挿してもダメ。

壊したか。二万円。去年、ヘソクリはたいて買ったばかりなのに。

だんだん外は暑くなってきた。呆然としている私の後頭部を日差しが照らし、さらに思考が止まる。

もう、やめなさい。

神様がそう言ってる。

無理やりそういうことにして、どんより気分で家に入ったら夫から電話の着信履歴があった。

「おはよう。・・・芝刈り機を壊した」

「直そうとしないで、捨てなさい」

「すみません。なんか焦げ臭いので作業中止した」

「捨てなさい。修理はできないからね、自分じゃ、危ないから、捨てなさい」

「二万」

「捨てなさい。発火するかもしれない。モーターだから」

電話を切ったら息子が起きてきた。

「お、庭仕事、したんだなぁ」

「芝刈り機を壊した・・・」

「へ?・・そうか。」

二人に話したことで、現実を受け入れることができてきた。

新しいの、買おう。

あぁ。二万。