お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

ちっぽけな私

夜、息子からラインが入った。

「昨日は一階で寝てごめん。今晩は風呂に入ってベッドで寝るぜ」

「了解。お疲れさん。気をつけてね」

返事を打ちながらなんか違うなぁと思う。奴がリビングで服のまま寝るというのは今に始まったことではない。今更怒る気にもならない。あの威圧的な態度だ。嫌だったのは。

「ただいま。ごめんよ。今日は二階で寝るから」

「そんなことじゃない、なんだあの態度は。自分の失敗を高圧的な態度で封じ込めようとした。母をなめんな」

「ごめんごめん」

そう。自分の非をもみ消そうとしたその根性が嫌だったんだ。私は。セリフになって口から出てきた自分の言葉で納得できた。

自分が何に怒っているのかその場ですぐわからない。なんかひっかかる。そう感じるけれど、それを瞬時に言葉にして表現する脳の運動神経が弱い。

そしてさらにそれから一日経った今日。そう。まだ引っかかり続けてたのだ。

なんでだろう。息子にもあの態度が嫌だったと伝えたからもう終わったことなのに。

怒りもとっくに消えているし。

私は気の強い子が好きだ。勢いがあっていい。オドオド機嫌を伺うよりも、鼻っ柱の強い生意気さがあったほうが安心する。

じゃあなんで、あの日の生意気な息子にムッとしたのか。

多分。いや、おそらく。

生意気さを私に向けたから。私を舐め腐った態度でいなそうとしたから。

この私を舐めたから。

つまり、自分が舐められたから。母としてとかじゃない。

あぁ。私ったら。

親としてじゃなくて、未熟な個人としてムッとしただけのことだったのか。

リビングで寝ようが、失敗を高圧的態度で誤魔化そうが、それが私に向かってこなければこんなに反応しなかったはずだ。

恥ずかしい。

恥ずかしい。

恥ずかしいいいいいいい。