お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

未来が始まる

昨日買った本の話です。

サンマーク出版 川口俊和著 「コーヒーが冷めないうちに」

 

過去に戻れる喫茶店があるのです。4つの短い話が入っているのですが、まだ一つ目しか読んでいません。

設定は、過去に戻っても、現在を変えることはできない決まりです。あの日、あの時、あの場面でああしていたら、こう言っていたらという未練や後悔を昇華することはできても、現状はそのままという約束で時間を戻ります。

第1話では、主人公は最初、その理不尽さに憤慨しますが結局それでも旅をします。

するべきだった会話をしに。戻ってきた現在に変化はありません。ですが、未来が変わるのです。未来が変わる。予想外でした。

 

未来から見れば今が過去です。

今、伝えたい思いを伝えるか、飲み込むか。それで未来の展開が変わっていく。

過去から見れば今は未来。

戻ることはできないけれど、過去の記憶の中の自分に会いに行ってその時、辛くて言えなかった言葉を思い出してみます。

あの時、笑っていたけど、傷ついているんだと言ったとしたらあの人はどう返しただろう。

そこで思うのです。きっとこう言ったろうというのは私の発想で想像。私一人の頭の中で完結してるわけです。実際に言ってないのですから、それは妄想です。

ちゃんと向き合わないで自分の頭の中で自分の理屈で被害者になって記憶を閉じてきたんだ。

あの時、ああいうふうに、言われた言葉の意味を捉えたけれど、その真意はそうじゃなかったかもしれない。意味すらなかったかもしれない。意味はあっていたとしても、とり合わなくていいことだったのかもしれない。私の情報処理能力がエラーをしていた。

当時のままになっている脳みその中の記憶処理データをもう一度更新します。

今思うと、あの人も人生の途中で、辛い時期だった。余裕がない時期に強い言葉を使うことは私だって覚えがある。

ただ、そのその時、その現象が起きただけ。彼女が私に言った。私が聞いた。幼かった自分がその物事に色付けをして脳に送っただけ。

それだけのこと。

 

相性というのは、その人の中にあるあったかいものを引き出しやすい人か、そうでない人かということなのかもしれない。

 

私の未来が輝きだしたとまではいかないけれど、開かれていく。