24か25か
昨日、夫のもとに宅急便が届いたと電話があった。
記念日は今日13日だが、月曜なので確実に家にいる日曜必着で送っておいた。
「手紙に『14周年おめでとう!』ってあったけど、あれ、25だよ」
「え?そうなの?じゃ、銀婚式じゃん」
「え、そうなの」
「そんならお祝いにiPad Pro買ってもーらお」
「いいよ。今度帰った時、一緒に行こう」
電話を切ってしばらく浮かれる。そうか。知らない間にもう、銀婚式か。突然、人生をわかった大人の気分になる。
トイレに入って、しばらく考える。指を折る。93、94、95・・・。私ちが結婚したのは1993年。指輪にそう彫ってある。順番に数えると2017は何度やってみても24になる。一年経って1周年。だから24年経って今年はやっぱり24周年。
今朝、夫から電話があった時に早速言う。
「ねぇ。やっぱり24じゃない?93年からちょっと、今、指折ってみてよ」
夫も93、94、95・・・と数える。つられてこっちでも指を折る。
「あ、ほんとだ」
「でしょ」
「そうでした。24周年でした、間違えた」
「ま、でも、iPad Proの約束はそのままってことで」
中年夫婦になってきた。二人で指を折らないとわからない。
torimomoniku
今日は冷凍庫にある、生協の鳥もも肉を使っちゃおうと思って、洗面所を掃除しながら「そうだ、あとでクックパッドで鳥もも肉って検索してみよ。」と考えていた。
料理の意欲のない日でも、クックパッドやクラシルのように簡単にできる料理を眺めているとやってみたくなってくることがある。
今日はどこも具合が悪くないのに、なんとなく頑張りたくない感じ。最初は焼き鳥のタレで絡めて雉焼き丼にしちゃおうかなと思っていたところに、ふと「何か簡単で面白いの、あるかも」と思いついたのだ。
そう思ったら、すでに気持ちがいそいそしてくる。
テーブルにパソコンを持ってきて、開く。
パスワードを何度も打つけど、エラーが出る。
おかしいなぁ。
ハッ。
torimomoniku
頭が鳥もも肉でいっぱいだったので、何度も何度もtorimomonikuと連打していた。
ながら作業ができないことは自覚していたが、ここまでとは・・・。
宅配便
夫のもとに宅急便を送った。お米5キロが入っているので相当重い。自転車に乗ることができないので、近所のコンビニまで持参するのは到底無理だ。パソコンで集配を依頼した。
宅配業者にメンバー登録をし、こちらの住所、あちらの住所、品物、宅配の種類、集荷希望日時、配達希望日を順番に入力して、完了と押すと同時に「承りました」とメールが届く。段ボールには宛先もなにも書かずにガムテープで蓋を閉じておけば、さっき記入した住所を印刷したシールをペタッと貼ってくれる。
3時に依頼して、5時に取りに来てくれ、明日の午前中には兵庫に届けてくれるのだから、スンバラシイ。
「お米が入っているので・・・重くてすみません」
そのほかにも、缶詰も野菜ジュースも無添加のレトルト、セーター、例のネルシャツのプレゼントとぎっしり詰めたので相当重い。申し訳ないなぁと思ったのだ。
「あ、はい」
サイズをささっとメジャーではかり、重さを確認するのか、ヒョイっと持ち上げる。
「へなちょこは私だけですね。プロには屁でもないようでした」
「屁でもない・・・」笑っていた。
せっかくなので家でフリージングしたものをクール便で送りたいとき、どうすればいいのかを尋ねる。
これはかねてより、どうするんだろうと思っていたのだ。
箱に詰めた状態で待っていれば溶けちゃうし。生協の冷凍食品のが留守のように、発泡スチロールにドライアイスを入れて梱包するのだろうか。だとしても、集荷まで冷凍をキープできるだろうか。ギリギリまで冷凍庫に入れておいて、集荷依頼時刻寸前にわーっと一気に詰めるのが一番望ましいが、作業の遅い私にそんな早業できるか自信がない。間に合わなくて、取りに来たお兄さんをイラつかせるかもしれない。あちらだって時間との勝負で働いているんだから。
「普通の段ボールでいいんですよ。発泡スチロールは、車の中がマイナス18度なんですけど、断熱材だから冷気が伝わらないので。段ボールの方がむしろ、いいです」
受け取ったらすぐに冷凍車に入れるからそれでいいらしい。
「それじゃ、段ボールごと冷凍庫に入れて待ってるんですか?」
内心、それは無理だと思いながら聞く。
「来てから、その場で詰めてもいいですし。」
「待っててくれるんですか?」
「はい」
問題、一気に解決。
なんとご親切な。取りに来てくれる上に、モタモタ詰め込むのを待っててくださるなんて。
これまでここがよくわからないので、送りたいけどなぁ・・・とやらずにいた。俄然、やる気が湧いてきた。
ハンバーグも煮魚もきんぴらもかぼちゃの煮付けもおひたしも。面白そう。びっくりさせてやろう。
すんごい時代だなぁ。日本ってすごいなぁ。
「じゃ、お預かりします」
軽々とお米の入った箱を肩まで持ち上げて出て行くお兄さんを神様のように崇めながらなんどもお辞儀をして見送った。