お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

私の夏が終わる

IKEAの椅子にしたことで、本来無印の13000円のものを買う予定でいたのが大幅に安く済んだ。浮いたお金で夫の長財布を買った。

今使っているものがボロボロで、一人暮らしをしている中年男が持っているには侘しさを倍増させる気がしていた。ツタヤのポイントも足して、少しいいものにした。

ついでにユニクロで息子に1900円のコットンシャツも買う。あれでいて、親父の代わりに一生懸命母をかばってくいる。そのお礼。

夕飯のときに二人に渡した。

大好物の枝豆を山盛りにして。息子の好物の焼き鳥を並べて。夫のリクエストの手巻き寿司とビール。

明日から息子のバイトが再開、私も4時起きが始まる。

かんぱーい。みなさん、ありがとう。明日からまたそれぞれ、頑張りましょう。

私の夏休みは今日で終わり。

30個がいいよ、だけ

昨夜、息子が「オヤジ、こっちきてずっとパソコンとスマホいじってるだけじゃねぇか」と怒った。「かあちゃん、ほったらかしにしやがって。今日も一日中、そのカッコかよ」連日、パンツとシャツでいる夫に腹がたったらしい。

今朝、起きると、夫がすでに短パンにTシャツを着てベッドに寝ていた。

「散歩行くんでしょ。僕も行く」

「いいよ、来ないで」

「行く、一緒に行く。今日で最後だから」

「来なくていい」

「行く」

「断る」

玄関で待っているので、仕方なく、一緒に出た。

例によって何も話さず。ひたすら歩く。二人のきゅっきゅっという足音と、蝉の声。私はふと思いついて、いつもの公園コースをやめて、氏神様のいる神社に向かう。

並んで、それぞれの財布からお賽銭を投げ、手を合わせる。心の中で住所番地、夫の名前、その妻です。いつもありがとうございます。夫は何やらやけに長く拝んでいた。そこからまた黙々と夫は私の行く道をついてくる。途中、コンビニで朝食のパンとコーヒーを買い、ブレンドコーヒーをイートインで飲む。外の見える長テーブルに並んで座って、ゆっくりゆっくりすするように飲む。

頭にカフェインが回っていくのがじんわりわかる。細胞が覚めはじめる。ジンジンした足もほどけていく。私の心もゆるんでくる。

あぁ。だから嫌だったんだ。せっかく一人に慣れてきたのに。二人でほっこりしたら、もう明日帰るんじゃん。

飲み干して、しばらく座り続け、やがて、私が立つ。「行くか」夫も立つ。

また二人並んで黙って歩いて帰ると息子がちょうど起きてきた。

「散歩、いったんか。よしよし」

2時間歩いて会話したのは会社の人へのお土産を20個入りにするというのを30個にしたほうがいいということだけだった。それで充分なのだ。不思議なもんだ、夫婦とは。

自分を甘やかす

昨日、IKEAに行ってきた。母に頼まれたものを買いに行ったのだが、ついでに自分のために椅子を買った。

簡単な肘掛のもので、木の枠の上にマットレスを乗せるだけのものだが、店頭での座り心地の良さに即決した。本当はこの前無印で買った机に合わせて、シリーズの椅子を買う予定だった。1万3000円で、ネットで確認し、このお盆の騒動を乗り切ったら、打ち上げに自分のお小遣いで買おうと企んでいたのだが、それをやめて、こっちにした。

7000円ちょっとで、このくつろぎが手に入るなんて。

これを寝室の窓際の夕焼けの見えるあそこに置こう。そこは何にもしないぼーっとする場所にしよう。ぼんやりスポット。納戸に変わる私の充電場所にきっとなる。

これがあれば。これがあれば・・・。

久しぶりにワクワクした。

今、晩の肉じゃがを作り、味噌汁を作り、お楽しみの椅子を組み立てた。

木枠が重いが、あの店頭で見た完成品を早く手に入れたくて、説明書を見ながらやる。

できたできた。不器用な私でもなんとかできた。

ベッドを動かし、イメージしていた場所に椅子を置く。

座ってみる。

オォ・・・。

思った通りだ。ちょうど、雲が見える。今日は曇っているけれど、傾いていく太陽がここから見えるはずだ。ちょっと引っ込んでいる場所だから外からは 死角になっているのも予想通りで落ち着く。

ここにくれば落ち着く。

大丈夫だ。

ここでゆっくり呼吸をしよう。

私の充電地。