お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

七転八笑

卒業式で担任の先生が最後ホームルームでおっしゃった言葉。

「七転八倒なんてしなくていいです。そんなの、辛すぎるでしょ。だからと言って七転び八起きなんて私は言いません。そんなの普通ありません。凡人は、七回転んだら、八回目も転びます。まず。それが普通です。そこでいちいち、生きてる意味とか人生とか深刻にならないでください。七回転んだら、一回そこで笑いましょう。笑っちゃってください。あぁ。俺、七回も転んでやんの。って笑ってください。そうしたら、意外と気が落ち着きます。気力も出てきます。食欲も出ます。眠れます。そこで、さーて、もう一回やるか。八回目だから、また転ぶかもなぁくらいの気持ちで起き上がってみましょう。そこでうまくいけば大儲け。失敗してもやっぱりなってなもんです。そしたら、また一回目に戻ればいい。今までのは一周したからチャラです。同じことを一っ回目でもいい。違う方向に転換してもいい。とにかくまた一回目です。それを繰り返して生きてってください。気楽に。人生、どこにでも成功はあります。」

転んで転んで転んで転んで転がって生きていこうっと。

 

 

100歳おばばの作った雛人形 恐るべし

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明日はお雛様。

今日の午前中、出しました。まさかの前日。

ここんとこ、自分のことでいっぱいいっぱいで、1日延ばしにしていたら、ついにここまできてしまった。

うちは女の子はいないし、もう、いっその事今年はパスしちゃおうかなぁと思っていたのですが、やはりそうはできなかった。

お雛様は身代わりで難を持って行ってくれると聞いた事があります。

そう。このお雛様を毎年出していたのに、しんどくて出さなかったまさにその年、私は緊急入院したのでした。

これを思うと、やはりすらっとぼけるわけには行かず、ぎりぎりの今日、お出まし頂きました。

「ったく遅いわよっ!今年はもう出てこれないのかと思ったわよ。毎年毎年、遅いのよっ!」

とおっしゃっているようにも見えます。

このお人形は、100歳の祖母が私の婚約が決まった時に木目込みの教室に通って作ってくれたものです。

彼女のパワーは強烈です。

 

これを出したのが午前11時。そして午後1時に隣の母が

「牛肉、間違って同じパックを2こ買っちゃったのよ。いいお肉が半額だったから買ったんだけど、多すぎるから、あげる」

と持ってきました。

そして、さっき、6時。近所の仲良しが娘さんの高校受験、第一志望の合格を知らせに来ました。

うちのお雛様、侮れません。

雛あられもお花もないので、慌てて、夫に買ったバレンタインのハート形お煎餅をお供えしました。

嫁入りの心配もございませんので、どうぞ、三日と言わず、今月いっぱい、ごゆっくりなさっていってください。

・・とゴマをする。

温もり ありがとう

卒業式。息子は思っていた以上に立派でした。

そして自分がこんなにも親馬鹿な視線で彼を目で追うことを本当にありがたく思いました。

私は、思っていた通り、大勢のお母様の間で未熟でした。

みんな開放的で、よく笑い、先生にツッコミを入れてみたり、証書をもらった晴れ姿の我が子と教壇でピースで写真を撮ったり、お友達になっている母親同士で挨拶を交わし、近況報告をしていました。

『今に始まったことじゃないじゃない。』

そう、声がします。私の中の私の声。

あなたが、凸凹で内弁慶で世慣れてないのは持って生まれたあなたの本質。何を今更。

そうだ。背伸びしない。

無意識のうちにしていた、笑みを絶やさない母親像を演じるのをやめ、ただ、その場を味わいます。

息子を見る。制服の生徒の、息子を見る。私はそのために来た。

感傷的になって泣く気分にもならず、ただ、幸福感だけが湧き上がるのでした。

 

それでもグッタリ疲れました。

いやな疲労感ではなく、やりきったという放心状態で、電車の座席にへたり込みました。

なんとなくiPhoneを立ち上げ、「はてな」のアプリを立ち上げると、思いがけず優しい言葉のコメントがありました。

う。

今日、目の奥がツンとしたのはこの時でした。

あったことのない人たちからの温かいものが私の背中を包んでくれた。

ありがとう。

ありがとう。